農業をクールに。フランス発スタートアップ Agricool
個人的に気になっているスタートアップ企業がある。
Agricool(アグリクール)というフランスのスタートアップ企業だ。
Agricoolが行っている事業内容は、コンテナで農作物を育てること。
農地面積が少なくなりがちな都市部であっても、コンテナを置くことによって農作物を多く育てることができる。スタッキングも可能。従来の方法で行われる農作物より120%生産性が高いそうだ。
遮光・露光条件や空調といった設定を行うことで、遠隔地からでも手入れをすることができる。太陽光はないので、光は太陽光パネルで作り出された電力でLEDを動かしている。
そう、Agricoolのコンテナ(Cooltainerというらしい)は100%再生可能エネルギーで動いているのだ。
さらに言うと、かん水設備もしっかり整っており通常の方法で農作物を育てるより90%も節水と栄養分のカットを実現させている。さらにさらに、殺虫剤を一切使用していないため、水で洗わなくても食べられる。
すごい徹底ぶりだ。
都市部であっても、新鮮・エコかつ健康的な農作物を提供することができる。
ヨーロッパ人はBio(有機農法)にこだわる人も多い。
わたしが住んでいるドイツではBio製品しか置いていないBio CompanyやAlnaturaといった値段が高めのスーパーがあり、普通のスーパーでも必ずBioの野菜が置かれている。他の国の人はどうかわからないが、ドイツ人は特に環境問題や健康への意識が高い人が多いので、けっこう厳しく品定めしている。
Agricoolが広がっていけば、より安価にBio農作物が買えるようになるのではないだろうか。
また、生産性がどんどん上がっていけばもしかすると国全体の食料自給率も高めることができるのかもしれない。
過去に2度ほど記事で取り上げたことがあるが、このビジネスモデルは非常におもしろいし、会社を始めたのが農家の息子ふたりというストーリー性も良い。
コンテナで育てることができるなら、コンテナごとトラックに積むことができるので移動も楽ではないか?と思ったのだが、その点について触れられている記事はなかった。「かん水のような設備を持っていくことができないんだろうか?据え置きしかだめなんだろうか?」と気になるところではある。
たとえコンテナがないところでも、移動販売ができたらいいマーケティングになるのではと思う。個人的には、非常に将来が楽しみな企業だ。
画像出典:Agricool 公式ホームページ